山中V7防衛!3度のダウン奪う圧勝
「WBC世界バンタム級タイトルマッチ」(22日、代々木第二体育館)
王者・山中慎介(32)=帝拳=が挑戦者の同級1位スリヤン・ソールンビサイ(25)=タイ=を3-0の大差判定で下し、7度目の防衛を果たした。具志堅用高の持つ6連続KOの日本記録に並ぶことはできなかったが、3度のダウンを奪うなど、タフな相手に実力差を見せつけた。自他ともに認めるバンタム級最強王は、今後、団体統一戦を目指してさらなる飛躍を目指す。
7、8、9回と左を軸にダウンを奪ったが倒せなかった。連続KO記録が途切れ、具志堅用高の持つ世界戦6連続KO防衛の日本タイ記録を逃した。
惜しまれるのは最初にダウンを奪った7回だ。終盤、山中の左ストレートがテンプルに決まり、スリヤンは崩れ落ちた。
ニュートラルコーナーに控えなければならなかったが、再開直後の二の矢を焦り、リング中央へと進み出た。レフェリーに注意を受ける間、カウントが中断。スリヤンを助ける結果となった。
山中は「(倒そうという)本能がそうさせてしまった。あそこは反省している。じっとしていたら10カウント入っていたかもしれない」と苦笑いで振り返った。
スコア差以上にスリヤンにてこずった。7歳年下ながら44戦を闘ってKO負けは一度もない。12年に佐藤洋太(協栄)に敗れ、WBC世界スーパーフライ級王座を失ってから17連勝してこのチャンスをつかんだ相手だ。
強敵を退けた山中は「低い姿勢でチョンチョン来る一番相性の悪い相手から3回ダウンを取って勝てたのは大きい。いい経験になった」と防衛を喜んだ。
今後について帝拳ジム本田明彦会長は「防衛回数は狙っていない。いい相手を探してどこにでも行く」と明言。25日に行われるIBF同級王座決定戦で同級1位のカバジェロ(米国)が勝てば、団体王座統一戦が実現する可能性があるという。山中も「正直負ける気がしない。次は統一戦を目指して頑張ります」と誓った。