三浦TKO負け「一瞬の隙つかれた」
「ボクシング・WBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチ」(21日、ラスベガス)
王者の三浦隆司(31)=帝拳=が同級1位の挑戦者フランシスコ・バルガス(30)=メキシコ=に9回1分31秒でTKO負けし、5度目の防衛に失敗した。出だし劣勢だった三浦は4回にダウンを奪ってから優位に進めた。だが、9回に連打を浴びてダウンを喫し、形勢を逆転されると、この回途中で主審に試合を止められた。
9回、ゴングが鳴ると、右目を腫らした挑戦者が猛然と突っ込んできた。負けじと応戦した三浦は左右の連打でダウン。何とか立ち上がって王者の意地を見せたものの再び連打を浴び、TKO負けで散った。「悔しい。気持ちが前に出過ぎた」と肩を落とした。
4回に得意の左ストレートでダウンを奪う。8回終了間際にはコーナーに追い詰め、4連続KOを狙って勝負を決めにいった。だが、右目付近の負傷で試合ストップを恐れて勝負を懸けた挑戦者の必死さが、わずかに上回った。「一瞬の隙を突かれた。ダウンを奪ったところからいけると思っていた。それでも息を吹き返してきた。そこは予想外だった」と振り返った。
憧れのラスベガスでの試合は「ボクシング人生で最高の舞台。気合が入った」と言う。メーン前の一戦で惜しみない拍手を受け「またチャンピオンになるために頑張りたい」と、心には再起の意欲が芽生えていた。