なでしこ最後の切り札が急上昇！ロンドン五輪に出場するサッカー女子の日本代表が１４日、千葉県内で練習を行い、国内での合宿を打ち上げた。非公開で行われた千葉・幕張総合高との試合形式の練習では、得点時間など詳細は明らかにされなかったが、ＦＷ岩渕真奈（１９）＝日テレ＝が小指の疲労骨折で苦しんだ右足でゴール。佐々木則夫監督（５４）もスーパーサブとしての活躍を期待した。なでしこジャパンは１６日未明に事前合宿地のフランスに出発する。

　国内合宿の最後で輝くあたり、スーパーサブの素質は十分だ。「久々に取れたので気持ちよかった。これから、しっかりアピールしていきたい」。対戦相手の高校生が緊張しないように、と設定された非公開練習で、誰よりも躍動したのが岩渕だった。

　鋭い飛び出しに細かなボールタッチ、変幻自在のドリブルを武器にすることから、ついたあだ名が「マナドーナ」。ペナルティーエリアの端付近から決めたというゴールを「（相手を）背負って受けていろんな人が走ってくれて。打ったら、入った！みたいな？」と、感覚的な言葉で振り返った。

　天才少女と呼ばれた岩渕の１年は、ケガとの闘いの連続だった。昨年のＷ杯決勝・米国戦以来、国際Ａマッチの出場はゼロ。今年１月に疲労骨折した右足小指をボルトで固定する手術を受けた。６月に痛みが再発し、スウェーデン遠征を辞退した際には「落選を覚悟した」‐。１１日のオーストラリア戦も出場機会がなかったが、五輪直前にエンジンがかかってきた。

　五輪前最後の強化試合となる１９日のフランス戦（フランス）では途中出場が確実だ。佐々木監督は「苦しい勝負どころで決めるプレーをやってくれると期待して選んでいる」と、ＦＷ丸山とのＷ切り札として考えている。代表で出番がなかった時も「常に自分が入った感じで見ていた」という岩渕。１９歳の仕事人が、なでしこの最終兵器になる。