【評論】釜本邦茂氏・日本-スペイン

 「ロンドン五輪・サッカー男子・1次L、スペイン0‐1日本」(26日、ハムデンパーク)

 26日に行われたサッカー男子の1次リーグD組初戦で日本は、格上のスペインを1‐0で破る大金星を挙げた。日本は前半34分、FW大津祐樹(22)=ボルシアMG=が右CKを右足でねじ込み決勝点を奪った。1968年メキシコ五輪得点王で銅メダリストの釜本邦茂氏(68)=デイリースポーツ評論家=が、勝利を称賛した。D組首位の日本は27日、グラスゴーから第2戦のモロッコ戦(29日)が行われるニューカッスルに移動。第2戦で勝てばシドニー五輪以来3大会ぶりの決勝トーナメント進出が決まる。

 いやあ、素晴らしい。日本の11人がボールをいかに取るかを考えることから始まり、前からプレスをしてボールを奪ってから自分たちの攻撃をつくっていけたことが勝因でした。特に永井選手は頑張っとったね。セットプレーを取ったり、退場者を出させたりしたのも、彼の守備からですから、目立っていましたよ。

 ただね…。問題は後半ですよ!後半5回はあった決定的なチャンスで1回ぐらい決めておけばこんなにヒヤヒヤすることはなかったんです。女子のカナダ戦でも大儀見選手のシュートが寸前で防がれた後、2‐1にされてしまいましたが、試合を決めるゴールを入れられるようにしないといけないですね。

 シュートは全速力で入って、そのままのスピードでけったらダメなんですよ。一度、スピードを抑えて落ち着いてけることを心がけないと。勝っているのだし、時間もない場合は落ち着くことも必要です。

 大津選手の得点は、その前で吉田選手が飛び込んだことで生まれたスペースにうまく入りましたな。若干、バウンドしていましたけど、至近距離ですから、体に当たったら入るだろう、というイメージのゴールでしょう。

 これで「メダルを取れる」という意見も出るかもしれませんが、私はまだまだだと思っております。銅メダルを取ったメキシコ五輪の時も初戦を勝ったんですが、クラマーさん(デットマール・クラマー氏、元日本代表コーチでメキシコ五輪ではアドバイザー的な立場だった)から「まだ決勝トーナメントに出られる確率が50%になっただけだ」と言われました。残りの2試合で75%、100%と上げて行かなければなりません。そして、メダルはその先です。

 ただ、大会が始まる前に、私は男子は「メダルを取れない」と言ってしまいました。これには逆立ちしてお詫びするために、腕立て伏せでもして鍛えないといけないかもしれません。それはともかく、次のモロッコ戦です。得点のチャンスは何回もないということを頭に置いて頑張ってほしいです。(68年メキシコ五輪銅メダリスト=得点王、日本サッカー協会顧問)

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