【評論】釜本邦茂氏・日本-米国戦
「ロンドン五輪・サッカー女子・決勝、日本1-2米国」(9日、ウェンブリー競技場)
残念やったなあ…。バーに当たったシュートもあったからね。あれが入っていればというのはあるけれど…。米国相手に非常にいいサッカーをしたと思います。守備ではゴール前で粘れていたし、攻撃でもチャンスをしっかりつくれていましたから。
やはり体格の大きさというのが出てしまいました。スピードに乗ってきた時というのは仕方がない面もあります。1失点目も日本から見て右サイドを回されて崩されてしまったけど、あれも仕方がないでしょう。
沢選手は、これが最後の五輪というようなことも言ってましたけど、どうなんでしょう。全部を見ているわけではないので、まだ分からないところもありますが、米国のランポーンという選手は37歳でした。あのワンバック選手も32歳。相手に同世代や年上の選手がいることを考えると、沢選手だってやれんことはないでしょう。
佐々木監督は非常に手堅くチームをつくり上げたと思います。去年のW杯とほとんど変わらないメンバーで、FWに大儀見選手、MFに沢選手、宮間選手、DFに岩清水選手、熊谷選手と幹になる選手をキッチリ据えて、枝には丸山選手や若い岩渕選手を起用しました。これから若い選手が出てくるのが楽しみです。
もしも選手に会う機会があれば「よくやったね」と言ってあげたいです。パスをつなぐ、サイドに起点をつくる、素早く守るといったスタイルで、なでしこジャパンは確固たる地位を女子サッカー界に築いてくれましたから。(68年メキシコ五輪銅メダリスト=得点王、日本サッカー協会顧問)