陽子2発!ヤングなでしこ8強入り

 「U20女子W杯・1次L、日本4-0スイス」(26日、国立)

 1次リーグ最終戦を行い、初優勝を狙うA組の日本はスイスに4‐0で快勝し、同組1位で2大会ぶりに8強入りした。今大会初めてボランチで先発したMF田中陽子(19)=INAC神戸=が前半30分と後半2分、自ら得た2本のFKを左右両足で決め、1次リーグ3試合連続ゴール。日本は30日に初のベスト4をかけ、2年前のU‐17W杯決勝で敗れたB組2位の韓国と対戦する。

 日本の聖地が「夢の劇場」と化した。美しい2本の軌道で日本が8強進出。田中陽の両足から放たれたFKが国立に歓喜の渦をもたらした。

 中盤を圧倒的に支配しながら、引いたDF網を崩せない。前夜、吉田監督が「5点取って、2点あげるくらいが面白い」と超攻撃スタイルを誓ったが、スコアレスのまま30分を経過。決定機は、攻撃的ボランチの個人技から生まれた。

 田中陽がドリブルで中央突破を仕掛け、自らファウルを誘発した。FKはゴールまで約18メートル。ベンチから指揮官の大声が響いた。「久美が蹴(け)れ!」。キッカーの指示はFW横山だった。

 「聞こえなかった」と指令を無視した形で田中陽が右足を振り抜き、均衡を破った。試合後、指揮官から「聞こえないふりだろ?」と突っ込まれ「そんなことないです」と頭をかいたが、最高の結果を導いた。後半2分にも個人技で突破を図りFKを獲得。左足の低い弾道でネットを揺らし、試合を決めた。

 08年に15歳で出場したU‐17W杯時には「コロコロシュートしか打てない」と揶揄(やゆ)され、悔しさから、MF中村俊輔(横浜M)、MF宮間あや(岡山湯郷)のキックを映像で研究。左足の精度は16歳のとき、第5中足骨の疲労骨折が原因で右足を軸に練習を重ねた成果だ。

 2ゴール目の直後に交代でベンチへ。1戦目に警告を受けているため、次戦に備えた。4強をかける相手は10年のU‐17W杯決勝で敗れた韓国だ。「何がなんでも、どういう形でも韓国には勝ちたい」。田中陽は雪辱に燃えている。前夜、香川真司のプレミアリーグ初ゴールに沸いた日本列島が、この夜は陽子の2発に酔いしれた。

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