U20女子日韓戦会場に右翼団体街宣車
「U20女子W杯・準々決勝、日本3‐1韓国」(30日、国立)
サッカーU‐20女子W杯準々決勝の日本×韓国戦が行われた30日、試合会場となった東京・新宿区の国立競技場にはいつになく緊張感が漂った。竹島問題による日韓関係の緊張感がエスカレートする中での一戦。競技場の周囲には、右翼団体の街宣車が詰めかけたほか、競技場モニターには、政治的、宗教的なメッセージを禁止する注意告知がなされ、厳重な警備態勢がしかれるなどものものしい雰囲気。一方、サポーターは政治とスポーツを切り離して考える人が多く、街では冷静な声が多く聞かれた。
五輪当時より緊張感 ロンドン五輪では、竹島に関する政治的メッセージがサッカー会場に持ち込まれたこともあり、竹島問題が大きくクローズアップされて以降、日本国内では初めての“日韓戦”には、ピリピリとしたムードに包まれた。
韓国応援席では、試合開始が近づくと鉄扉を閉め、警備員を増やす厳戒態勢が取られた。韓国側応援席では韓国人サポーターが自国チームに声援を送ったが、23歳の男性は「試合は試合だと思う」と淡々。ロンドン五輪での竹島メッセージ問題についても「僕たちが他の意思を作ってしまうのはよくない。今は韓国サッカー協会に任せます」と多くを語らなかった。また、別の男性(28)は「暇だったので来ました。実はスポーツはあまり興味ないです」と話した。
ロンドン五輪当時よりも日韓の関係は緊張感が増している。野田首相の親書の受け取りを韓国側が拒否、日本では竹島上陸非難の国会決議採択、さらにこの日は国際司法裁判所への共同提訴の提案を韓国が拒否と、収束は見えない状況。
韓国応援席サイドの入り口に配備されたスタッフは「普段は言われないけど、日本人をあまり入れるなと言われています」と明かし、韓国側に入っていく日本人には「日本の応援はしないでください」と呼びかけていた。