沢から3点!INAC神戸5発でV王手
「なでしこL杯・準決勝、INAC神戸5-1伊賀」(2日、浦和駒場)
A組を首位通過していた昨年度のリーグ覇者・INAC神戸は、B組2位の伊賀を相手に、FWゴーベルヤネズ(24)のハットトリックなどで5‐1と大勝。初のカップ戦タイトル獲得に向け、決勝戦へと駒を進めた。日本代表MF沢穂希(33)は、得点こそ奪わなかったがチームの3得点の起点となった。第2試合では日テレが、新潟を3‐0で下した。決勝は9日にNACK5スタジアムで行われる。
百戦錬磨の存在感は、この日も健在だった。なでしこジャパンの大黒柱として、五輪銀メダルに貢献したMF沢が、3得点を演出。チームを初の決勝へと導いた。
まずは前半12分だ。積極的な攻撃参加で敵陣へと攻め入ると、左サイドのFW高瀬へ浮き球のパス。21歳の若きなでしこの豪快な一発を引き出した。圧巻は前半38分だ。「相手の体勢からバックパスが分かったので」と、抜群の読みでボールを奪取。FWゴーベルヤネズの2点目を演出した。
さらには、後半3分にもゴーベルヤネズのハットトリックの起点に。3得点に絡んだが「アシストのアシストというか、得点に絡めたのは良かったですけど、私自身としては普通のできだったかな」と、サラリと振り返った。
ゴールの予感が漂う。クラブでは、今季いまだ得点なし。ダブルボランチの一角として出場したこの試合では「攻撃に関しては割と自由にやらせてもらった。後ろ(守備)の人からは“あんまり前に行かないでください”って言われちゃったけど」と苦笑い。自らのゴールは生まれなかったが、若手と新戦力のゴールを引き出してみせた。
攻撃参加でゴール前へ上がった前半15分には、FW川澄が「思いっきり打った」というシュートが直撃。「シュートコースに入ってしまって申し訳ないですね」と笑った。後半17分にベンチへ退くと、その後にゲリラ豪雨がピッチを襲ったが、屋根付きのベンチ内で難を逃れるなど“持ってる感”も相変わらずだ。
リーグが11月の開催を目指す、欧州王者・リヨンと豪州王者、そして国内のリーグ、カップ王者に参加資格が与えられる4カ国選手権の出場権獲得まであと1勝。「カップ戦でも優勝目指して、全力でやっていきたい」。タイトル総ナメに向けて、突っ走る。