香川、神様ジーコの前でエース証明だ
「W杯アジア最終予選、日本‐イラク」(11日、埼玉)
B組で首位に立つサッカー日本代表のかなめ、FW香川真司(23)=マンチェスター・ユナイテッド=が10日、勝利へと導く早い時間帯でのゴールを誓った。日本は11日に埼玉スタジアムでジーコ元日本代表監督(59)が率いる同組2位のイラクと対戦。10日は試合会場で公式練習と会見を行い、決戦に向けて最終調整した。
“7時台の男”になる。香川は、前半の早い時間帯でゴールを決める自分の姿をはっきりとイメージしていた。「そういうところは警戒してくると思う。前半のうちに決めるところを決められれば楽な戦いができると思う。1つ結果を残したい」。日本のW杯出場に貢献したい思いから出た言葉だった。
6月にホームで戦った2試合では、初戦のオマーン戦で前半11分に本田がボレーを決めた。続くヨルダン戦では、前半18分に前田が先制ゴールを決めて、6‐0と大勝した呼び水になった。イラク戦のキックオフは午後7時半。8時になる前にゴールできれば、試合展開はぐっと楽になる。
ブラジルW杯アジア最終予選3試合で香川のゴールは1得点だけ。それもヨルダン戦の4点目で、前田や、ハットトリックを達成した本田に比べると、貢献度は見劣りしてしまう。試合を左右する仕事を果たし切れていない香川にとって、イラク戦は重要な意味を持つ。
前半45分で交代し、シュート1本と不調に終わった6日の国際親善試合・アラブ首長国連邦戦では、チャンスを“作る”ことに忙殺されて“決める”動きができなかった。イラク戦では、ゴールに近い位置でパスを受けることが重要になってくる。香川も「常にそれは思っている。明日も変わらないと思う。より高い(ゴールに近い)位置でボールを受けるように準備したい」と自覚している。
プロ野球では、リリーフ投手の草分けで、試合終盤に登板する時間から“8時半の男”と呼ばれた元巨人の故宮田征典さんが有名だが、香川は試合序盤で試合を決める。「自分の持てる最大限のものを出せるように準備したい」と言い切った。相手の監督は、サッカー小僧だった子どものころ「鹿島のプレーを見ていた」とあこがれていたジーコ。神様の前で自分の存在価値を示す。