ジーコ、奇襲失敗…若手大量起用も敗戦
「W杯アジア最終予選、日本1-0イラク」(11日、埼玉ス)
イラク代表を率い、日本代表と対戦したジーコ監督(59)は、U‐23世代の若手選手を大量先発&エース・ユーニスのスーパーサブ起用という“奇策”に打って出たが、不発に終わった。試合後は、かつて自らが指揮していたころから大きく成長した日本代表の姿に目を細めた。
“神の奇策”は不発に終わった。イラク代表監督として埼玉スタジアムに帰ってきたジーコは、6月の代表予選から大幅に入れ替えたロンドン五輪予選出場のU‐23世代を大量に先発起用。さらに出演した日本のテレビ番組などで「イラクのエース」と猛烈にプッシュしていた背番号10のユーニスを、後半から投入するという大胆な采配に打って出たが、最後まで日本のゴールをこじ開けることはできなかった。
「私なりにリスクを負ってこの試合に臨んだ。まだ(A代表で)一度も一緒にプレーしていない若い選手を一緒に出し、A代表デビューさせた。こういう機会に試さないと意味がないからね」。試合に敗れはしたが、特に前半は、その若手選手たちが躍動。カウンターからチャンスをつくるなど、日本代表を大いに苦しめた。
試合終了後には、日本サポーターから“ジーココール”も起こった。すぐに本田のもとへ駆け寄ったザッケローニ監督と握手することはできなかったが、「彼とは古くからの友人なので握手を忘れたからといって、問題はないよ(笑)。インタビューが終わった後、祝福したよ。サポーターのコールには気づかなかったけど、もちろん感謝してる。私が日本で過ごした15年は無駄ではなかった」と笑顔で話した。
進化した“侍”たちを目の当たりし「私はかつて、日本にはフィジカルが必要と言ったが、今は欧州で問題なくプレーしている選手たちがいる。例えば長友は今日90分走り続けたが、この後に90分走れと言われてもできるだろう。日本は間違いなく(最終予選)1位になるだろうね」。日本代表監督時代、9戦無敗を誇った埼玉スタジアムでの初黒星にも、神様はどこかうれしそうだった。