ザック監督、新戦力よりも主力の経験優先
サッカー日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督(59)が14日、フランスやブラジルと対戦する10月の欧州遠征に、ベストメンバーで臨む考えを示した。W杯予選へ向けた新戦力を試せる場ではあるが、「世界との距離を測る」ことを優先させる。この日、ザッケローニ監督は欧州視察のために成田空港から出国した。
若手にとっては非情な宣言だ。「新しい選手を試すことは常に考えているが、この試合に関してはまず世界の強豪との距離を測ることだったり、(今のメンバーが)経験を積むことだ」。10月12日にフランスと、同16日にブラジルと対戦する欧州遠征はベストメンバーで臨む。
最強布陣にこだわる裏には、アウェーの空気を主力組に体験させたい、という思いがある。「アウェーでの経験が皆無」と懸念する通り、全26試合中、対戦相手の国や地域でのアウェー戦は6試合だけ。ブラジルW杯最終予選では11月のオマーン戦など3試合もアウェー戦を残しており、無理もない判断といえる。
まだ勝ったことがないフランス(1分4敗)やブラジル(2分6敗)に勝てば、それだけで自信につながる。指揮官は「気に入っている選手はたくさんいるが、枠は決まっているので選択しなければ」と苦しい胸の内を明かした。新戦力発掘を後回しにしてでも、全力で強豪2カ国にぶつかる。