ザック監督“サンドニの悲劇”払拭自信
「日本代表合宿」(8日、パリ近郊)
サッカー日本代表は8日、国際親善試合のフランス戦(12日・パリ)、ブラジル戦(16日・ウロツワフ)に向け、パリ近郊で強化合宿をスタートした。アルベルト・ザッケローニ監督(59)は現有戦力への絶対的な信頼を明かした上で、01年にパリでフランスに0‐5で惨敗した「サンドニの悲劇」を払拭(ふっしょく)できる自信を強調。選手たちに対し、「このチームの可能性を信じるべきだ」とメッセージを送った。
日本サッカー史上、最悪の敗北と言われる「サンドニの悲劇」。11年の時を経て、同じ会場、同じ相手との“再戦”になる。ザッケローニ監督は「負の歴史」を塗り替える瞬間を確信しているようだ。
「弱気な姿勢を見せなければ、フランス相手にも良い戦いができる。何が起こるか分からないが、自分たちのプレーを仕掛けられれば、フランスにとっても厄介な相手になるだろう」
当時のフランスにはジダンやアンリがいた。W杯、欧州選手権を制した世界王者だった。一時期の低迷期を抜け、ベンゼマ(レアル・マドリード)、リベリ(バイエルン・ミュンヘン)らビッグネームをそろえてはいるが、勝利を譲る気は毛頭ない。
「弱気になれば自分たちの能力を自分たちで制限することになる。重要なのは、ここで勇気を出して、もう一歩、チームと個人の能力を出せればもっと良いチームになる。だから、選手たちにも伝えたい。『このチームの可能性を信じるべきだ』と」‐。
ウディネーゼ監督時代、ミランやインテル、ユベントスといったビッグクラブとの対戦こそ「自分たちのチャンス」と勝者の精神を説き、植え付けてきた。今回も「勇気を持って戦わない限り、世界との距離は測れない」と言い、「監督として、引いて戦う日本は見たくない」と言ってのけた。