井原氏、13年ぶり記録更新へ遠藤にエール

 「国際親善試合、フランス‐日本」(12日、サンドニ)

 欧州遠征中のサッカー日本代表は11日、フランス代表との国際親善試合の公式練習を行った。MF遠藤保仁(32)=G大阪=は、フランス戦に出場すると、国際Aマッチ通算出場数が122試合となり、元日本代表DF井原正巳氏(45)=柏コーチ=の持つ最多記録に並ぶ。さらにブラジル戦に出場すると新記録となることを受けて、井原氏が後輩にエールを送った。

 13年間にわたって守り続けてきたAマッチ通算出場数122試合の大記録が、ついに抜かれる。だが、井原氏の胸中に悔しさは一切ない。「引退したときには、俺の記録は抜けないんじゃないって言われましたけど、ヤット(遠藤の愛称)に抜かれるなら光栄です」。自身の記録の後継者に賛辞を贈った。

 日本サッカー激動期にプレーした井原氏のころと比べ、現在はAマッチの試合数自体も増えた。時代背景も違うが、大きいのはポジションの違い。「DFとかGKは、試合に安定して出られるけど、ヤットは中盤。どの監督からも信頼を得て選んでもらって、そこで出てということだから、本当に大変なこと」。中盤で出続けることの難しさを思いやった。

 1998年、遠藤がJリーグでデビューしたときの対戦相手は、井原氏が当時在籍していた横浜Mだった。初めて対戦したときは「強烈に印象に残る選手ではなかった」と言う。その選手が、自らが打ち立てた記録に追い着き、追い越そうとしている。

 「そのままブラジルW杯まで行って、大記録を作ってくれるんじゃないかな。日本が世界のトップに近づくのに重要なスタイルという意味では、ヤットは象徴的な選手。どんどん記録を伸ばしてほしい」。12年間、日本代表として君臨した井原氏は、遠藤のさらなる活躍を楽しみにしていた。

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