INAC神戸、連覇王手 高瀬V弾
「なでしこL、INAC神戸2‐1新潟」(21日、ホームズ)
前年覇者のINAC神戸は本拠地に新潟を迎え、日本代表FW高瀬愛実(21)の得点などで2‐1で勝利した。優勝の可能性もあったが、2位の日テレが岡山湯郷を3‐1で下したために勝ち点9差は変わらず、歓喜の瞬間はお預け。INAC神戸は28日のアウェー、岡山湯郷戦で、引き分け以上ならリーグ2連覇が決まる。大阪高槻は2‐0で浦和を破った。
昨季に続く栄光は“7日間”のお預けとなったが、INAC神戸が優勝カップに手をかけた。日テレの引き分け以下で優勝が決まる新潟戦で、苦しみながらもキッチリと勝利。2連覇をほぼ手中に収めた。
決勝点は若きエースが生んだ。1‐0の前半18分だ。MF池笑然のFKに逆サイドからFW高瀬が猛突進。「(前にDFがいたが)ボールは流れてくると思った」。そのまま頭で突っ込み、豪快にネットを揺らした。得点ランクトップを独走する今季18得点目は、そのまま決勝点となった。
五輪での中断期間が明けたリーグ後半戦は、6戦11発。好調を維持する裏には高瀬流の“ネガティブ・シンキング”がある。「常に不安でいること。危機感を持ちながら、結果を残さないと次はない、と思ってやっている」
豪華絢爛(けんらん)な戦力を抱えるチームの中で生き抜くためのサバイバル術。前節・伊賀戦では無得点で、連続試合得点が4で止まっただけに「今日は絶対に点が取りたかった」。ゴールが決まると、物静かな高瀬には珍しく、跳び上がって豪快なガッツポーズを繰り出した。
残り3試合で2位との勝ち点差は9。さらに得失点差も20点と、圧倒的に優位な状況だ。「自分たちのサッカーが出せれば、勝ちにつながる。(1点差勝利となった)先週、今回と厳しい試合の経験をしたので、その成長を見せたい」。そう語る高瀬の表情に、油断はみじんもない。