カズ悔し…“初W杯”ブラジルに完敗
「フットサルW杯・1次L、ブラジル4-1日本」(1日、ナコンラチャシマ)
初の決勝トーナメント進出を狙う日本代表はC組初戦で、2連覇を狙う強豪ブラジルに1‐4で敗れた。サッカー元日本代表の三浦知良(45)=横浜FC=は前半5分から途中出場し、念願のW杯デビューを飾った。ブラジルの猛攻に耐えていたが、後半開始直後に立て続けにゴールを奪われるなど4失点。カズもゴールには絡めず、日本は1点を返すにとどまった。
ついにカズがW杯の舞台に立った。試合開始5分過ぎ、ベンチから飛び出した。ブラジルに押され気味の展開の中、シュートも放った。前半残り約4分で再び登場したときには、自らのパスミスから招いた大ピンチで、相手のドリブル突破をスライディングで止めた。その直後には、得意のまたぎフェイントでゴールに迫った。後半は約2分間の出場で、夢のひとときは約7分。少年時代を過ごしたブラジルの前に黒星を喫した。
試合開始前、白いユニホームの左胸、日の丸と咫烏(やたがらす)のエンブレムに手を当てた。君が代が流れ、目を閉じて斉唱した。日本代表として初めてのW杯。喜びをかみしめているようだった。
日本代表としてはW杯に縁遠かった。日本初のW杯出場を逃した93年10月の米国大会アジア最終予選の「ドーハの悲劇」。97年のフランス大会予選では主力として出場しながら、98年の本大会前の直前にメンバーから外れた。それから14年以上の時が流れた。
今大会の初戦前夜。心境を聞かれると、「意外と普通かなという感じ。100%の力でやるしかない」と笑った。45歳を過ぎても、なお挑戦をやめない人生を「それが僕の宿命。不安より楽しみが大きい」と表現する。コート、ボール、スパイク、戦術…。何もかも違う中、「新米だから」と何でも吸収しようとしてきた。
ニッポンコール、カズコールが響くアリーナで1‐4の完敗。悲願の決勝トーナメント進出へ、カズの熱い思いが届くか。日本の真価が問われる戦いとなる。