ザック監督「宇佐美もっと成長して」

 「W杯アジア最終予選、オマーン-日本」(14日、マスカット)

 日本サッカー協会は5日、ブラジルW杯アジア最終予選B組第5戦のオマーン戦(14日、マスカット)に臨む日本代表23人を発表し、FW宇佐美貴史(20)=ホッフェンハイム=が、昨年6月のキリン杯以来となるA代表復帰を果たした。都内で会見したアルベルト・ザッケローニ監督(59)は宇佐美の才能を評価しながらも、成長が足りないと苦言を呈し、若手に奮起を促した。左足親指の骨折で10月の欧州遠征から外れたFW岡崎慎司(26)=シュツットガルト=も復帰した。

 厳しい言葉は期待の裏返しだ。約1年半ぶりに招集した宇佐美についてザッケローニ監督は、もどかしさを口にした。

 「2年前、日本に来た時に、その年齢と実力とのバランスを見て非常に驚いた。2年たって、大きく成長していないと思う。例えばシステムが違ったチームでやるというふうに状況は変わったけど、もっと成長してほしい。今、彼がやっていることは2年前にできたことを現在もやっているだけだと思う」

 当時、G大阪に所属していた宇佐美を11年6月のキリン杯で代表に初招集(出場はなし)した。しかし、その後はA代表に呼ばず、今回、約1年半ぶりにチャンスを与えた。ほかの若手が伸び悩んでいることも要因となっての招集で、若手全般について「飛躍的に成長している選手が、なかなかいないのが現実である」と嘆いた。

 10月の欧州遠征では19歳の宮市亮(ウィガン)を、9月11日のW杯予選イラク戦では21歳の原口元気(浦和)を選出した。宮市はブラジル戦の試合終了間際の投入で、原口は出番がなかった。試合で使わないのは、練習で成長の跡が見られないから。「成長の証しがあればクラブでの出場機会も増えるはず」と、若手全体の奮起を促した。

 今季、バイエルン・ミュンヘンからホッフェンハイムに移籍し、リーグ戦全10試合に出場し2得点と活躍する宇佐美。ザック監督は「足元にボールがある時は高い技術を持っているが、それだけにとどまらず、スペースに走るところを見せてほしい」と要求した。日本にとって、勝てばW杯出場に王手がかかるオマーン戦は、宇佐美にとっても正念場となる。

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