神戸10戦ぶり星!安達新監督ハッパ効いた
「J1、FC東京0-1神戸」(17日、味スタ)
安達亮新監督(43)のもとで再出発した神戸は17日、敵地でFC東京と対戦して1‐0で勝った。DF奥井諒(22)のプロ初得点が決勝点となり、8月18日の札幌戦以来3カ月、リーグ10戦ぶりの白星。G大阪は清水を3‐1で下したが、神戸、大宮が勝ったため順位は降格圏内の16位のまま。広島は浦和に0‐2で敗れたが、辛くも首位を守った。次節の24日に広島が勝ち、仙台が敗れれば、広島の初の年間優勝が決まる。浦和は3位。
監督交代という“劇薬”は効いた。背水のイレブンは、あらゆる負の要素を鋼の精神力で凌駕(りょうが)してみせた。最近9試合勝ち星なし、FC東京にリーグ戦では02年以降勝っていない。しかも未勝利という鬼門の味スタで戦った。そしてつかんだ勝ち点3。「今日、負けていたら…。勝って良かった」。土砂降りの雨を、勝利の美酒代わりに、FW大久保は安どの表情を浮かべた。
シーズン途中に三顧の礼で招いた西野監督を8日に解任。J2降格圏の手前、15位というがけっぷちでバトンを受けたのは安達新監督。熱血指導者で、練習時からフルパワーでのしのぎ合いを厳命。試合前には「お前らならできる!」とハッパをかけた。前半27分には「あの言葉が自信になった」という奥井が泥くさくプロ初ゴール。後半は、全員がまさに肉弾戦のように体を張って1点を守った。最後はプール状態となったピッチも、神戸に味方した。
残留に向け、チームは強固な一枚岩となっていた。14日には選手間ミーティングを敢行。おのおのが発言する場で、勝利の立役者・奥井は「これまでは経験豊富な選手が多く、足を引っ張らなければ、助けてもらえると感じていましたが『残り3試合、責任と自信と覚悟を持って臨みます』と言いました」。全員の気迫が勝利を呼び込んだ。
次節には他会場の結果次第で、残留が決まる可能性もあるが「(3連勝の)勝ち点9まで積み重ねるしかない」と安達新監督。10戦ぶりの白星から3連勝フィニッシュを決める。