大分4季ぶりJ1復帰 ドン底から逆襲

 「J1昇格PO決勝、大分1-0千葉」(23日、国立)

 J2で6位の大分が5位の千葉を1‐0で下し、4季ぶりのJ1昇格を決めた。引き分けなら、年間順位により敗退となる一戦。0‐0の後半41分にFW林丈統(32)が起死回生のゴールを決めた。1月までの決算で債務超過9億円超の大赤字。サポーターからの支援金や、地元政財界からの融資をもとに、昇格に義務づけられていた最大6億円のJリーグ借入金を完済したのは、10月に入ってからだった。どん底からはい上がったクラブが、J1に舞い戻る。

 J1昇格‐。大分の選手は、苦しかった時代を思い返して涙を流し、そして笑顔を見せた。宙に3度舞った田坂監督は「選手がやっと一人前になって、自分の力をチームに還元しようという気持ちになってくれた」と感無量の様子で話した。

 どん底の3年間だった。08年ナビスコ杯優勝クラブも、翌年にはJ2降格。そして経営破綻。いつしか、地元の税金を食いつぶすだけの“お荷物クラブ”になっていた。

 批判の声も多く、FW森島は「オレらが大分で反乱を起こしたのかというくらいだった」と振り返る。郵便ポストに心ない言葉を書かれ、引っ越しを余儀なくされたこともあった。だが、それでも支え続けてくれた県民も多い。「今思えば、ああいうことがあったから成長できた」。最後に飛び出したのは、感謝の言葉だった。

 歓喜の裏で、困難も残っている。Jリーグは、13年から「クラブライセンス制度」の導入を決定。交付条件の一つには、14年度の審査時に債務超過になっていないことが挙げられている。大分は今年1月末の決算で9億円を超える負債を抱えたまま。青野浩志社長は「これからです」と話すばかりで、解決策が見えないのも事実だ。

 いばらの道は続くが、まずは目の前の戦いに全力を尽くす。「我々はJ2で6位のチーム。今まで以上に努力しないといけない」と指揮官。雑草軍団が、再びJ1で暴れ回る。

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