寿人得点王!PK蹴らず余裕の戴冠

 「J1、神戸0-1広島」(1日、ホームズ)

 サンフレ史上初の得点王誕生!神戸との今季リーグ最終戦(ホームズ)に1‐0で勝利したJ1広島・佐藤寿人(30)が、22得点でJ1得点王に輝いた。ゴールシーンこそなかったが、自らPKを獲得するなど勝利を演出。チームをリーグ初優勝に導いたエースが、10年の前田遼一(磐田)以来2年ぶり6人目(8度目)となる日本人得点王の栄誉も手にした。

 神戸の空に笑顔で両拳を突き上げた。勝利を告げる試合終了の笛。「素晴らしいチームメートにサポートを受けてのゴールで得点王をとれた」。初優勝を決めた11月24日のC大阪戦はピッチに泣き崩れたが、この日は手にした偉大な勲章に自然と笑みがこぼれた。

 J1残留に闘志を燃やす神戸との一戦。得点こそ奪えなかったが、決勝点となった森崎浩のPKは佐藤が獲得した。後半7分だ。右サイド石川のクロスに鋭く反応した。抜群のスピードでエリア内に飛び込むと、対応が遅れた神戸のDF北本はたまらずファウル。接触した足の痛みをこらえて立ち上がると、詰めかけた広島サポーターから大きな歓声が上がった。

 「(あと1点で)浩司が自己得点記録(7点)を更新すると言っていたので…」。チームメートの個人記録を思い、キッカーを譲った。だが実際は記録更新まであと2点が必要だった。試合後、“真実”を知り「蹴らせてもらえばよかったな」とはにかんだ。

 開幕からゴールを量産した。第5節のG大阪戦で史上10人目のJ1通算100得点と史上4人目のJ1・J2通算150得点。第13節の札幌戦ではリーグ史上初の9年連続2ケタ得点をマークした。第27節の鳥栖戦では2得点して20得点とし、94年ハシェックの球団1シーズン得点記録である19ゴールを18年ぶりに更新した。そして積み上げた22のゴール。森保監督は「1年間、エースとしての活躍をしてくれた」と賛辞を贈った。

 得点王には強いこだわりがあった。05年から2年連続で18得点し“日本人得点王”と呼ばれた。しかし、その言葉にはずっと違和感があった。「そういうのは意味がない。外国人選手も含めて一番にならないと」。練習時からシュートを外せば、なぜ外したのか。別のタイミングがなかったのか…。常に探求心を持ち続け常にゴールを意識してきた。

 6日からはトヨタ・クラブW杯に出場。初戦はオークランドシティー(オセアニア王者)だ。「楽しみ。しっかり準備したい」と力を込めた。名実ともに日本のエースとなった背番号「11」。今度は世界を相手に大暴れする。

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