澤反省…大学生相手にヒヤヒヤ8強
「サッカー皇后杯・3回戦、INAC神戸1-0早大」(9日、丸亀)
3回戦の残り4試合を行い、なでしこリーグ覇者のINAC神戸は前半11分、日本代表FW高瀬愛実(22)のゴールで早大(関東)を1‐0で振り切った。アカデミー福島(東北)は新潟を2‐1で破り、なでしこリーグ勢以外でただ1チーム、8強入りした。伊賀は鹿児島・神村学園高(九州)、日テレは宮城・常盤木学園高(東北)にそれぞれ6‐0で圧勝し、16日の準々決勝に進んだ。
準々決勝進出を告げるホイッスルが鳴り響いても、INAC神戸の選手たちは淡々と勝利を受け止めるだけだった。笑顔はない。2年連続無敗でなでしこリーグを制した“絶対女王”が大学生相手に1‐0の辛勝では無理もなかった。
国際女子クラブ選手権決勝でリヨン(フランス)と延長の死闘を演じて以来14日ぶりの実戦。日本代表MF澤は「どの大会も初戦の入り方は難しい」と反省を口にした。
昨年の再戦となった一戦だが、立ち上がりから圧倒した。前半11分、今季なでしこリーグMVPで得点王の高瀬が、約20メートルのミドルを決めて先制。四国初見参となるINAC神戸のゴールショーが始まるかと思われた。
だが、澤の「決めるところを決めないと流れに乗れない」という言葉通り、前半39分にMF池がPKを失敗した。リベンジに燃える早大の捨て身の守備の前に攻撃陣が沈黙。後半40分には途中出場のMF田中陽が鮮やかな反転から決定的なシュートを放つもGKに阻まれるなど、シュート12本で1得点に終わった。
不満の残る結果にも、星川監督は「PKが入っていれば、そこで勝敗は決まっていた」と意に介さなかった。田中陽も「次にああいう場面があれば、もっとアイデアを出したい」と前向きだった。「今年最後の大会で、いい締めくくりができれば…」と澤。3連覇の偉業へ、女王は手綱を引き締める。