寿人、同点弾も…アルアハリに惜敗
「トヨタ・クラブW杯・準々決勝、広島1‐2アルアハリ」(9日、豊田)
J1覇者として開催国枠で出場した広島は、アフリカ代表のアルアハリ(エジプト)に1‐2で敗れた。0‐1の前半32分にFW佐藤寿人(30)のゴールで一度は追い付いたが、後半に勝ち越された。広島は12日の5位決定戦でアジア代表の蔚山(韓国)と対戦する。もう1試合は北中米カリブ海代表のモンテレイ(メキシコ)が蔚山に3‐1で快勝した。
気温1度。雪が舞う極寒のスタジアムで、夢は散った。白い息を吐きながら、崩れ落ちた広島イレブン。「悔しい。本当に悔しい」。佐藤は敗戦を振り返った。
「われわれが勝利しても、おかしくない内容だった」。森保監督の一言に集約された試合内容だった。シュート数、ボール支配率でアフリカ王者を上回り、決定機の数も明らかに多かった。
1点を追う後半36分には、佐藤が相手GKと1対1となりながらボールはゴール右へ。「駆け引きの上でニアを狙ったが、単純に技術のミス。もっともっと練習をしないとですね」。エースは反省の言葉を並べた。
佐藤は前半32分に同点ゴールを奪ったものの「うれしさよりも、後半のチャンスを外した悔しさが大きい」と唇をかんだ。MF森崎和が「なかなか、ボールがゴールの中に入ってくれなかった」と振り返ったように、最後までゴールが遠かった。
立ち上がりには試練に見舞われた。守護神の西川が前半4分に相手FWゲドと交錯。左ほおに裂傷を負って、同8分に交代を余儀なくされた。森崎和は「今までにないアクシデントだったので、多少影響があった」と語るなど、先制点を許すきっかけとなった。
DF森脇も前半途中に左太腿に違和感を訴え、ハーフタイムで交代。チーム一の盛り上げ役は「情けない。次?わからない」と表情を曇らせた。
悔しすぎる敗戦。それでも、戦いは続く。5位決定戦に向けて、佐藤は「向こうはアジア王者で、FC東京と柏も(アジア・チャンピオンズリーグで)やられている。Jのプライドを持って戦う。勝って終わりたい」。悔しさを糧に、初の世界大会を勝利で締めくくる。