「浦和の達也」終戦 無念の無得点
「サッカー天皇杯・4回戦、浦和0‐2横浜M」(15日、熊谷ス)
浦和は今季限りで退団する元日本代表FW田中達也(30)が先発したものの、横浜Mに0‐2で敗れた。柏はJFLの横河武蔵野(東京)に1‐0で辛勝。来季J2に降格するG大阪はJFLに降格するJ2町田に3‐2で辛勝。鹿島は磐田を3‐1、大宮は川崎に4‐3で競り勝った。J2千葉は東北社会人リーグの福島ユナイテッド(福島)に5‐0で大勝し、Jリーグ勢以外は全て敗退した。
12年間浦和を支えた男は、あっけなく最後の試合を終えた。後半14分に退いた田中はベンチで試合終了の笛を聞いた。「終わったなと。レッズで最後の試合で赤いユニホームを着られて良かった」と、寂しさをにじませた。
9月8日の2回戦・ヴォルカ鹿児島戦以来となる公式戦の先発だったが無得点に終わった。前半36分にはMF柏木のスルーパスに抜けだしたが、放ったシュートは力なく転がった。交代を命じられると、ベンチの左端に座りこみ、仲間の戦いを静かに見守った。
今季限りで退団する田中とFWポポを思い、「2人を元日の決勝に連れて行こう」が、チームの合言葉になっていた。しかし、腰痛緩和の手術をドイツで受けたペトロビッチ監督不在の影響もあり、浦和イレブンは精彩を欠いた。
柏木は「達也さんにアシストできなかったのが残念」と悔やんだ。来季の所属先は「まだ何も決まっていない」という田中は「いつもよりも悔しいけど、僕は前に進まないといけない」と必死に前を向いた。