サンフレVパレードで6万2千人と歓喜

 クラブ創設20年目でJ1初優勝を果たしたサンフレッチェ広島が16日、広島市の平和大通りで優勝パレードを行った。森保一監督(44)やリーグ最優秀選手のFW佐藤寿人(30)らが、オープンカーやバスに分乗し、30分をかけて840メートルを行進。沿道に集まった6万2000人のサポーターと喜びを分かち合った。

 初優勝を決めた11月24日と同じように、サンフレッチェを愛するすべての人が一つになった。青く澄み切った冬空の下、平和大通りに詰め掛けたサポーターは6万2000人。イレブンの乗ったバスが近づいてくると、ひときわ大きな歓声が上がった。

 就任1年目で栄冠を手にした森保監督と、キャプテンの佐藤が乗ったオープンカーが先導。続いて西川、高萩らが2階建てのオープンバス2台に分乗し、840メートルを30分かけてパレードした。

 上空にはヘリコプターが飛び交い、沿道には「俺たちの広島、俺たちのチャンピオン」という横断幕や、「ありがとう」のボードが躍った。応援歌も響き、平和大通りはスタジアムさながらの熱気に包まれた。

 広島で大規模な優勝パレードが行われるのは、カープが初優勝した1975年以来、37年ぶり。森保監督は「壮観だった。パレードの話を聞いたときは正直、どれだけの人が集まってくれるか心配だった。想像以上の人が集まってくれて優勝の喜びを分かち合えて幸せ」と、声を弾ませた。

 パレード終着点の平和記念公園では原爆慰霊碑に献花。その後、集まった2万人の前で改めて優勝を報告した。拍手喝さいを浴びた佐藤は「たくさんの人に『広島に来てくれてありがとう』と言われた。地元の人が喜んでくれているのを実感できたし、一生の思い出になる」と話すと、白い歯がこぼれた。

 クラブ創設20年目で、初めて味わう優勝の味。パレードでサポーターの歓喜を体感し、連覇への思いはさらに強くなった。「感動と幸せをもらった。次のパレードもしたい」と森保監督。佐藤は「サンフレとカープが、いい結果を出して広島を喜ばすのが使命。地元に愛されるクラブにならないと」と、カープと共に広島を盛り上げることを宣言した。

 多くのサポーターが歓喜し、サンフレイレブンも力を得たVパレード。クラブの歴史に新たな1ページが加わった。

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