桐光学園8強!OB俊輔が試合前ゲキ
「高校サッカー選手権・3回戦、桐光学園3‐0佐賀商」(3日、三ツ沢)
2大会連続出場の桐光学園(神奈川)がMF松井修平(3年)の得点などで、佐賀商(佐賀)に3‐0で快勝。元日本代表MF中村俊輔(34)=横浜M=を擁した第75回大会以来、16年ぶりにベスト8に進出した。佐野日大(栃木)は鵬翔(宮崎)に0‐3で、青森山田(青森)は星稜(石川)に0‐2で敗れた。
桐光学園に脈々と受け継がれるサックスブルーの背番号10の系譜。その向こう側に、新たな歴史の鼓動が聞こえた。勝負を決定づけたのは、中村と同じエースナンバーを背負う松井だった。
2‐0で迎えた後半25分。こぼれ球を見逃さず、右足でネットを揺らした。「ごっつあんゴールですけどね」と苦笑いしたが、追いすがる佐賀商の勢いを断ち切るのに十分な一撃だった。
“金言”が効いた。試合前のロッカールームを、中村がサプライズ訪問した。「(前回準優勝の四日市中央工を4‐2で破った)昨日の勝利の勢いに乗っていって!!」と声をかけた。偉大なOBの一言に「あれがリラックスにつながった」と佐熊監督は分析した。
「俊輔選手の鋭いサイドチェンジとかを映像を見て、マネしている」という松井。数多くのJリーガーを輩出した名指揮官は、松井について「入学時から攻撃センスは非凡なものがあった」と評した。
そして「ここで終わるような選手じゃないから」と、あえて守備的な位置で起用し、ディフェンスの基礎をたたき込んでいるという。この日も松井はボランチの位置から巧みに試合をコントロール。8強入りに大きく貢献した。
卒業後、プロへ進む選手はいない。総合力を武器に戦うが、観戦した俊輔は「大学を出て、プロに来そうな選手は6人くらいいるよ」と、後輩に目を細めた。桐光学園は自身が3年時の準Vが最高成績だが「勢いがあるからね。自分らの上にいって欲しい」と期待を寄せる。悲願の優勝へ。“レジェンド”の気持ちと共に、桐光学園が突き進む。