鵬翔PK戦粘勝!宮崎勢初の決勝進出
「高校サッカー選手権・準決勝、鵬翔(4PK3)星稜」(12日、国立)
鵬翔(宮崎)は星稜(石川)と2‐2で迎えたPK戦に4‐3で勝利し、県勢初の決勝進出を成し遂げた。
粘って、粘って迎えたPK戦で勝利の女神が味方した。2‐3で迎えたPK戦の4人目、星稜のFW今井のシュートがバーにはじかれた。5人目のMF植田はゴール上へ、6人目のFW村上は再びバーへ。相手の3連続失敗で得た勝機で、鵬翔は6人目の川崎(2年)がきっちり決めて、県勢初の決勝進出を決めた。
ただの運か、それともミラクル鵬翔の誕生か。PK戦に入る前も、2度リードされる苦しい展開だった。松崎監督も「最後まであきらめずに、一生懸命頑張ってくれた。神懸かりというか、何か“持っている”気がします」と快進撃が信じられない様子だった。
運を引き寄せたのは偶然ではない。前半31分にMF小原(2年)が直接FKを決めた場面では、相手が9人も壁を並べた前で、味方選手が立て膝になり相手GKの視界を遮った。小原が「鵬翔伝統のやり方です。GKから見えないので枠にいけば入ると思った」と振り返る計算通りの一撃だった。1‐2とされた直後に同点弾を決めたMF東は「まだ10分あるので、取り返せると思った」と振り返った。
試合前日には星稜の試合のビデオが手違いで届かないアクシデントがあったが、逆に自分たちの試合を見て士気を高めた。伝統、執念、開き直り。たくさんの要素が鵬翔を支えている。「国立も初めて。決勝も初めて。今までやったことを決勝でやるしかない」。監督はそう自分に言い聞かせた。