京都橘、初Vへ2トップ爆発3発完勝
「高校サッカー選手権・準決勝、京都橘3‐0桐光学園」(12日、国立)
京都橘(京都)が桐光学園(神奈川)を3‐0で破って、同校初の決勝進出を果たした。主将も務めるFW仙頭啓矢(3年)とFW小屋松知哉(2年)がともに1得点を挙げて勝利に貢献。小屋松は通算5得点で得点ランク単独トップに立った。鵬翔(宮崎)は星稜(石川)と2‐2で迎えたPK戦に4‐3で勝利し、県勢初の決勝進出を成し遂げた。どちらが勝っても初優勝となる決勝は14日に国立で行われる。
“先制男”が、この日も本領を発揮した。0‐0の前半42分、MF中野のシュートがバーを直撃。こぼれ球は仙頭の足元に転がった。あとは目の前のゴールに押し込むだけ。ここまでの5試合で4度目の先制弾を決めた背番号7は「先制点を取ったらチームも乗れる」と力を込めた。
仙頭が点を決めれば、相方も黙っていない。2トップを組む小屋松は、1‐0の後半31分に勝利を決定づけるゴールを決めて、今大会5得点目。小屋松は試合で左ふくらはぎを負傷したため無言で引き揚げたが、「僕らが点を取らないと乗っていけない。お互いチームのためにいいプレーをできたらいい」と仙頭が代弁した。得点王を争うコンビが、最前線からチームを引っ張っている。
1回戦から決勝まで、約2週間という長い道のりだが、選手にとまどいはない。昨年8月、福島から福井、岐阜までをマイクロバスでめぐるという2週間の長期合宿を敢行。期間中は毎日、練習試合を行うハードな日程で、多いときは1日に2試合をこなした。「体力的にもそうだし、メンタルも強くなりました」。準々決勝後の1週間こそ疲労回復に努めたものの、過酷な日程を乗り越えたことで体力的な不安はない。
この日は、ともに全国レベルの吹奏楽部と、女子バレーボール部がスタンドから応援。全校応援の桐光学園に劣らない迫力で「ものすごく力になりました」と笑顔を見せた。
決勝は京都府勢として45大会ぶりの優勝がかかる。「やっぱり先制ゴールには、こだわっていきたい。絶対全国制覇します!!」。栄冠を手にするためには、仙頭の先制点が必要だ。