徳島・斉藤新主将、カズ魂でJ1昇格だ
J2徳島ヴォルティスの主将に、MF斉藤大介(32)が就任した。昨年8月に右アキレス腱(けん)を断裂。懸命のリハビリで、宮崎キャンプ中の12日に実戦復帰を果たした。選手生命さえ危ぶまれる大けがを乗り越えた新主将は、尊敬する三浦知良(横浜FC)を手本に、J1昇格を狙うチームをけん引する意気込みだ。徳島は3月3日の開幕戦、ホームで神戸と対戦する。
ピッチを走る姿に喜びがあふれる。ボランチの位置から出す指示の声も元気いっぱいだ。大けがから帰ってきた32歳。MF斉藤が、徳島の新主将に就任した。
「主将として若手の見本になれるように。取り組む姿勢、挑戦する姿勢を見せたい」
理想の“リーダー像”はキング・カズだ。大阪・金光一高卒業後、京都でプロ生活をスタートした1999年。シーズン途中に、クロアチアから帰国して京都に移籍入団したのがカズだった。
今の斉藤と同じ32歳。欧州で挫折を経験し、再起を期して懸命にトレーニングに励む姿が目に焼きついている。「カズさんの背中を見て育った。高校を出たばかりの自分に声をかけてくれて、うれしかった」。
選手生命の危機を経験して、カズの偉大さを再認識した。昨年8月22日の湘南戦で、右アキレス腱を断裂。全治6カ月と診断された。
入院は1カ月半に及んだ。焦りが募って、リハビリ方針をめぐりトレーナーと口論になることもあった。それでも地道に回復メニューに専念した。12日、岡山との練習試合で実戦復帰。開幕に間に合った。
「ケガしてますます、いい準備をしなければと思うようになった。カズさんのように、アップやクールダウンもおろそかにせずにやりたい」
カズから学んだ姿勢が、今度は徳島の若手に好影響を与えるはずだ。目標のJ1昇格に照準を合わせ、チームは開幕ダッシュを狙う。「今はピッチに立てるだけで新鮮な気持ち。若い選手と一緒に自分も成長したい」。尊敬してやまないキングは、46歳の今も現役バリバリ。負けるわけにはいかない。