大宮“前田の呪い”都市伝説を歓迎
J1でうわさされる都市伝説に大宮がわいている。9日に対戦する磐田のエースFW前田遼一(31)には、07年からリーグ戦でシーズン初得点を挙げた相手がJ2に降格するというジンクスがある。今週は大宮の練習場に報道陣が殺到する“前田特需”状態。11年に所属していた山形でジンクスの被害者となったFW長谷川悠(25)は8日、再発防止を誓った。
名門・G大阪でさえも覆せなかったジンクスが勝つのか、それとも大宮の残留力が勝つのか。注目の一戦を前にしても大宮のFW長谷川はあっけらかんとしていた。「うちの残留力はかなり高いんで関係ないと思いますよ」と断言した。
J2に落ちそうで落ちないのは大宮の専売特許だ。J1に昇格した05年から成績が低迷してもシーズン終盤で残留を決めてきた。前節、前田に得点させなかった名古屋のストイコビッチ監督が「これでJ1はセーフ」と会見で漏らすほど、前田のジンクスへの注目は高まっているが、大宮にとってはどこ吹く風だ。
長谷川は前田のジンクスの経験者でもある。山形時代の11年5月7日の磐田戦で、ゴールライン際のドリブル突破からのゴールとヘディングで2失点を喫し0‐4で敗戦。その後チームも低迷しJ2に降格した。特にドリブルからの失点は印象に残っており、「(みんなに)言っておきます」と失敗は繰り返さない。
重圧を感じるどころかチームとして状況を楽しんでいる。広報スタッフが「この話題のおかげで、(午後)6時のニュースの取材が来ました。残留戦線以外ではめったにない」と前田特需による露出拡大に感謝すれば、GK北野は「ヘッドが強い。対策は体をあてて威力のあるシュートを打たせないこと」と前田攻略法まで披露した。
オレンジがチームカラーのクラブはJ2降格がないというジンクスもある。前田にびびらず、冷静に勝ち点3を取りにいく。