被災地へ届けた 初昇格の福島が勝利
「JFL、町田0‐1福島」(10日、町田)
開幕して9試合を行い、東日本大震災から2年の節目を前に、地域リーグから初昇格した福島ユナイテッドが、J2から降格した町田ゼルビアを1‐0で破った。同じく昇格組のSC相模原は長野パルセイロに0‐1で敗れた。18チームが11月24日の最終節まで、2回戦総当たりで争う。
復興を目指す故郷へ、何よりの励ましとなる勝利だ。Jリーグの下部にあたるJFLで初陣を迎えた福島が、優勝候補の町田を撃破して白星スタートを切った。
「“福島に勝利のニュースを届けたい”と気合を入れた。初戦で町田と戦えるということで選手のモチベーションも高かった」と時崎監督。福島から500人以上のサポーターが詰め掛け、都内の県人会の応援もあった。指揮官は「全国に避難したり、今も不安を抱えて生活している人が多い。きょうはサポーターの声援が本当に心強かった」と、きずながもたらした勝ち点3に感謝した。
狙い通りの試合運びだった。開始10分にMF鴨志田が右足で流し込んで貴重な先制点を奪った。殊勲のヒーローは「いいボールがきたので、ゴールに入れるだけだった。福島のために戦おうと、みんな集中していた」と胸を張った。
降雪の影響で練習不足のハンディを抱えながら、終盤はロングボールで攻め込む町田の反撃を全員が体を張って防いだ。粘りのサッカーで福島に元気と勇気を送り続ける。