愛媛執念ドロー…石井ラッキー2戦連発
「J2、愛媛1-1松本」(10日、ニンスタ)
開幕戦を白星でスタートした愛媛は、ホームで松本と1‐1で引き分けた。前半32分に先制点を許したが、後半30分にMF石井謙伍(26)が同点ゴール。開幕戦でも得点を挙げた絶好調男の執念で、勝ち点1をもぎ取った。
絶好調男にはツキもある。後半30分だった。右サイドを駆け上がった愛媛の石井が右足を振り抜く。フワリと浮き上がったボールは、相手GKの頭上を越えてゴールに吸い込まれた。
「まったくの偶然です。クロスを上げたつもりが、入ってしまいました」。試合後、ヒーローは照れ笑いだ。シュートを打ったつもりはなかったが、貴重な勝ち点1をもたらす同点ゴール。開幕戦を白星発進したチームの勢いを持続させる、価値ある一発だった。
3‐1で山形を下した開幕戦では最初の2得点を演出。後半35分には自ら得たPKを決めた。2試合でチームの全4得点に絡む大活躍。石丸清隆監督も「攻守において運動量が多い選手。偶然だけど、頑張った結果のゴール。必然のゴールでしょう」と称賛した。
MFトミッチとMF吉村のダブルボランチを中心に、中盤でテンポよくボールが回り、試合開始から主導権を握り続けた。ゴール前での崩しに課題は残るものの、パスサッカーを指向する就任1年目の指揮官の意図が見える戦いだった。
ホームでの開幕2連戦を勝ち点4で終え、次節・17日は今季初のアウェーとなる富山戦。「いいスタートを切れた。次もしっかり勝ち点を取りたい。点に絡むプレーをしたい」。甘いマスクに笑みを浮かべながら、石井が3戦連続の大暴れを誓った。