寿人2発!サンフレがホーム今季初勝利

 「J1、広島2‐0鳥栖」(14日、Eスタ)

 王者・広島はFW佐藤寿人(31)の2ゴールの活躍で今季ホーム初勝利を挙げた。後半4分に左足で先制点を決めると、同14分にも再び左足でゴールネットを揺らした。公式戦のホーム白星は、昨季初優勝を決めた11月24日のC大阪戦以来となる。第6節を終えて、勝ち点10で6位。エースのゴールで勢いに乗り、さらに上位を目指す。

 青空にエースの笑顔が吸い込まれた。ようやく手にしたホームでの今季初勝利。お立ち台で佐藤は「(サポーターに)待たせてしまいました。これからみなさんと1つになって、上を目指したい」と声を張り上げた。

 芸術的ボレーで勝利をたぐり寄せた。0‐0で迎えた後半4分だ。右サイドのミキッチのクロスが相手DFに当たり、中央で待ち構えていた佐藤の前にこぼれた。胸でトラップすると、即座にバックステップ。倒れ込みながら左足を一閃(いっせん)した。

 「低いシュートだと相手に当たる可能性があった。だから一度、球を上げた」。吸い込まれるように右サイドネットに突き刺さった先制弾。トップクラスの得点感覚を誇り、DFの位置を瞬時に判断できるストライカーらしいボレーシュートだ。

 同14分には中央で高萩のパスを左足ダイレクトで流し込んだ。2得点の活躍に森保監督は「寿人らしい反応の速さだった。彼しかできない」と最大級の賛辞を贈った。

 ホームでの勝利に誰よりもこだわっていた。最後の白星は昨季、初優勝を決めた11月24日のC大阪戦だ。今季はリーグ戦、アジア・チャンピオンズリーグと合わせ5試合を戦ったが、この試合まで未勝利。自身もノーゴールが続いていた。それだけに「せっかくお金を払って見に来てくれる。子どもたちも多い。サッカーの楽しさ、ゴールのうれしさを見せたいと思っていた」と並々ならぬ決意で臨んでいた。

 ゴール後のパフォーマンスは封印した。「まだ余裕がない。それができるようになるまで勝ち続けていかないといけない。自分も点を取らないと」。さらに「サイドはたくさん突破していた。クロスが入ったときに、最初のタイミングでしっかり合わせられないと」と反省点を挙げ、手綱を締めた。

 勝って兜の緒を締める‐。どこまでもどん欲に、高みを目指す背番号11が頼もしい。

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