神戸・吉田V弾「原点」三ツ沢で躍動
「J2、神戸2-1横浜FC」(21日、ニッパ球)
首位の神戸は敵地で18位の横浜FCと対戦し、途中出場したFW吉田孝行(36)の決勝ヘッドで2‐1で勝利した。プロ生活をスタートさせた横浜フリューゲルスの本拠地・ニッパツ三ツ沢球技場で、ベテランが健在をアピールした。チームも2連勝、6戦負けなしと好調をキープし、首位をがっちり守っている。横浜FCのFW三浦知良(46)はベンチ入りしたものの、出場はなかった。松本‐東京Vは積雪のため中止になった。
まるでホームにいるようだった。1‐1で迎えた後半38分、左サイドからのクロスを頭でたたき込むと一直線に神戸側のスタンドへ。身を乗り出したサポーターにもみくちゃにされながら喜びを分かち合った。「たまたまサッカー専用スタジアムで、近かったんでね」。そう説明した吉田は照れ笑いした。
ニッパツ三ツ沢球技場は、どこよりも思い出深いスタジアムだ。95年に入団した横浜F時代に本拠地にしていた「プロ生活の原点」。横浜FCのサポーターからは選手紹介時に拍手を送られた。98年に横浜Fは横浜Mとの合併が決まり消滅。吉田は合併で生まれた横浜F・マリノスに移籍し、大分、神戸と渡り歩いたが、“三ツ沢”への思いは消えていない。
「(横浜Fと同じ水色の)横浜FCのチームカラーを見ていると懐かしいなと感じますし、本当、やりやすい」と感傷に浸りながら結果も残した。後半27分に中盤として投入されたが、終盤にFWへポジションチェンジ。安達監督の「点が取りたかった」という期待に見事に応えた。
昨季まで所属していた大久保嘉人(川崎)も応援に駆けつける中、下位クラブからの取りこぼしを免れた。36歳のベテランストライカーは「誰が出ても活躍できるだけの力はあると思うし、(チームが)J2でこれだけやるのは当然と思う」と胸を張った。