「アジアＣＬ１次リーグ、柏１‐１貴州」（２３日、柏）

　Ｈ組１位の柏がホームで貴州（中国）と１‐１で引き分け勝ち点を１１とし、１次リーグ１試合を残して同組１位での決勝トーナメント進出を決めた。柏は後半６分、直接ＦＫのこぼれ球をＤＦ増嶋竜也（２８）が右足で決め、失点を１で食い止めた。柏は初出場した昨年に続く１６強進出。Ｇ組で既に敗退が決まっている広島は、アウェーでブニョドコル（ウズベキスタン）と対戦。

　愛の決勝Ｔ進出弾だ。後半６分、右サイドからの直接ＦＫがはじかれた先に増嶋は待ち構えていた。ちゅうちょせず右足を振り抜くとボールは相手ＧＫをはじいてゴールネットへ。指にキスをするパフォーマンスをする先には、愛妻の玲子さん（旧姓・潮田）が手をたたいていた。

　前日２２日が２８歳の誕生日。２０日のＪ１鳥栖戦から２戦連続となるゴールに「前と後ろでちょうどよかった」。ただ、シャイな性格な増嶋らしく、パフォーマンスについては「流してください」と照れるばかりだった。引き分けで１位通過が決まる状況だったが、「できれば勝ちたかった」と後半４０分の失点を悔やんだ。ホーム＆アウェーによる決勝Ｔの戦いを見すえ、「ホームは勝ちにもっていきたい。引き分けじゃ苦しい」。初優勝を目標にする柏にとって、今後、不用意な失点が命取りになることはよく理解している。２年連続のＡＣＬで、長い移動や、偏ったジャッジなどアジアの厳しさには慣れた。ラウンド１６で敗れた昨年の雪辱へ「その借りを返すためにここまできた」と増嶋。夫婦愛もクラブ愛も、その胸に熱く燃えたぎらせている。