川島これぞ守護神!地獄から天国へ
「W杯アジア最終予選、日本1-1オーストラリア」(4日、埼玉)
地獄から天国へ‐。GK川島が激動の90分を体験した。
見せ場は前半35分、左サイドからの相手のカウンターでMFホルマンと1対1の危機に陥ったが、勇気を持って飛び出すと、シュートを左手でブロック。「いい形で対応できた」と、前半最大のピンチを救い、自慢のドヤ顔もさく裂した。
暗転したのは後半36分だ。左サイドからMFオーが上げたクロスがフラフラと日本ゴールへ。川島は右手ではじき出そうとしたが、わずかに指先を抜け、ゴールに吸い込まれた。「届くと思ったけど、最後の最後で届かなかった」。直前の親善試合ブルガリア戦でも無回転FKをはじききれず失点。2試合連続の“防げた失点”に、悔しそうにゴールポストにもたれかかった。
ロスタイムに本田がPKを決め、何とかW杯出場が決定。「PKは最初見られないかなと思ったけど、信じて最後まで見た。結果的に(W杯を)決められて良かった」と、心の底から安どした表情を見せた。
不動の正GKには、打ち破らなければならないジンクスがある。それは“背番号1”ののろい。過去のW杯4大会で背番号1を付けたGKは、なぜか、大舞台のピッチにすら立てていない。「どんな相手でも止められることが当たり前でありたい」と川島。盤石の正守護神へ、ギラついた瞳でさらなる高みを見据えた。