「Ｗ杯アジア最終予選、イラク‐日本」（１１日、ドーハ）

　Ｗ杯ブラジル大会出場を決めた日本代表は７日、イラク戦へ向け、カタールの首都・ドーハ入りした。気温４０度の酷暑に加え、各大陸王者が集まるコンフェデレーションズカップ初戦のブラジル戦（１５日・ブラジリア）を控える中、ＦＷ香川真司（２４）＝マンチェスター・ユナイテッド、ＧＫ川島永嗣（３０）＝スタンダール＝ら主力陣は「Ｗ杯まで１試合も無駄にできない」と、こぞって出場を志願した。

　目標ではないが、最低限のノルマはクリアした。達成感がわき上がってもおかしくない状況で、日の丸を背負う男たちを包み込んだのはプレー、勝利への渇望だった。

　「どの試合もやらなければいけない。勝たなければいけない。言い訳せずにやりたい」

　淡々と語ったのは川島だった。親善試合のブルガリア戦（豊田）、Ｗ杯最終予選のオーストラリア戦（埼玉）で食らった失点を見過ごしたまま、ブラジルへ乗り込めるはずがない。

　３月末のＷ杯アジア最終予選・ヨルダン戦（アンマン）から３戦未勝利が続く。日本代表の「４戦未勝利」は、過去１０年間で１度しかない。コンフェデ杯へ、回復や調整が必要な選手がいるかもしれないが、川島は「（メンバーが代わっても）同じ意識を持って、同じレベルでできなければ意味がない」と、強い口調で消化試合の色を打ち消した。

　香川も同調した。イラク戦への出場の可能性について問われると、「自分はいつでも準備しているし、いつでも試合に出たいと思っている」と言い切った。１年後の夢舞台へ、「個」のレベルアップの必要性を実感しているからこそ、ザッケローニ監督に直訴してでもプレーする強い決意だ。

　左膝に負った２度の重傷から復調途上の長友は「（コンディションは）７、８割は戻ってきているし、まだまだ上がる。もちろん、イラク戦も出たい」と語った。

　「調整とは全然、思っていない。世界に向けて、という考え方。（来年の）Ｗ杯までに何試合、このメンバーでできるかを考えたら、１試合も無駄にできない」

　収穫も課題も、すべては勝ってこそ。目の前の公式戦を生かさぬ手はない。