愛媛・石井、古巣に“恩返し”逆転弾
「J2、愛媛3‐2札幌」(8日、ニンスタ)
3連敗中だった愛媛は5月6日の第13節・栃木戦以来、5戦ぶりの勝利で、今季初の逆転勝ち。先制点を許したが、前半15分にMF赤井秀一(31)のゴールで追いつくと、同25分にFW石井謙伍(27)が逆転弾。後半26分にもMF河原和寿(26)が決めた。徳島は山形と2‐2で引き分け。岡山は松本に0‐1で敗れた。
連敗脱出への強い思いが3ゴールを生んだ。愛媛が今季初の逆転勝ち。5戦ぶりの白星に「正直、勝ててホッとしている」と石丸監督は安どの笑みだ。
前半5分に先制点を許したが、集中力は切れなかった。テンポのいいパスワークで主導権を奪い返すと、同15分にMF赤井が同点ゴール。10分後には、右サイドからMF村上が上げたクロスに、中央に走り込んだFW石井が右足で合わせてネットを揺らした。
05年から5年間在籍した古巣・札幌に“恩返し”の逆転ゴール。「成長させてもらった札幌との試合はいつも特別。気合が入っていました」と、石井はチームトップとなる今季4点目に声を弾ませた。
試合前の分析で「札幌はDFラインが浅い」という情報が入っていた。愛媛は序盤から虎視眈々(たんたん)と、その裏のスペースを狙った。後半26分の河原のゴールは「イメージ通り」。スルーパスに反応して裏へ抜け出し、鮮やかにネットに突き刺した。
同40分には、開幕前から故障続きだった期待の若手MF伊藤が今季初出場。短い時間ながら、得意のドリブルでサポーターを沸かせた。浮上への明るい材料が見えた90分間。次節からの京都、福岡とのアウェー2連戦に向け、石井は「いいきっかけにしたい」と言葉に力を込めた。