香川、穴はピルロの守備…攻略に自信
「コンフェデレーションズ杯・1次L、日本-イタリア」(19日、レシフェ)
強豪撃破へ、穴は敵の司令塔だ。サッカー日本代表は17日、ブラジリア市内でイタリア戦へ向けた練習を行い、試合会場となるレシフェへ移動した。FW香川真司(24)=マンチェスター・ユナイテッド=は、攻撃の中心となるMFアンドレア・ピルロ(34)=ユベントス=が守備に難があるとみて攻略に自信を見せた。イタリア・セリエAでプレーするDF長友佑都(26)は“悪童”と呼ばれるエースFWマリオ・バロテリ(22)=ACミラン=をイライラさせる作戦を掲げた。
どんなに強い相手にも弱点はある。香川は大胆にも、中心選手の中の中心選手に狙いを定めた。「ピルロもそこまで動ける選手じゃないと思う」。16日のメキシコとの大会初戦をテレビ観戦して得た、イタリア攻略の手がかりだった。
ピルロはチームのほぼ中央でプレーし、長短織り交ぜたパスで攻撃を操る文字通りの司令塔。メキシコ戦でも直接FKを決めたほか、攻撃の中心を担って、マンオブザマッチ(MVP)を獲得した。この試合で同国代表史上5人目となる100試合出場も果たした。
かつてピルロはトップ下でプレーしており、守備の選手ではない。脇を固めるモントリーボやデロッシといった優れたMFをサイドにおびき出す必要がある。香川は「引き出して、バイタル(ゴール正面、ペナルティーエリア付近の地域)を空けないといけない」。そして、丸裸になったピルロの位置で勝負する、という青写真を描く。
香川が自信を持つもう一つの理由は、ブラジルと比べて圧倒的な個人技を持つ選手が少ないと感じていることだ。「個人の力はブラジルよりないと思っている。攻撃は単調なこともある。守備の時間を短くできる。(得点を)取りに行く時間があるんじゃないかな」と見ている。
W杯優勝4回。FIFAランクは日本の32位に対して8位という実績を誇るイタリアだが、必要以上に警戒するのはマイナスだ。香川はブラジルを引き合いに出し、「チャンスと見るや走力がすごかった。飛び出す姿勢だったり、(そうする)時間だったりが自分たちに足りなかった」。0‐3での完敗を糧に、強豪に立ち向かう。