日本サッカー協会は２１日、女子日本代表「なでしこジャパン」の欧州遠征メンバー１８人を発表し、ＭＦ澤穂希（３４）＝ＩＮＡＣ神戸＝は左脚付け根の故障のため外れた。ＭＦ宮間あや（２８）＝岡山湯郷＝らは順当に選ばれた。メンバーはこの日、佐賀県鳥栖市内から移動し、２２日に欧州に向けて出発。２６日にイングランド代表と、２９日にドイツ代表と対戦する。

　発表された１８人の中に、澤の名前はなかった。午前中に鳥栖市内の病院で診察を受けたところ、左座骨結節付着部の画像に異常が見られたという。

　佐々木監督は「昨日プレーをして悪化したみたいなので、大事を取ってメンバーから外した」と説明した。澤は「欧州遠征での２試合を楽しみにしていたので残念。いい状態に戻り、チームで結果を出して、また代表に読んでもらえるように頑張る」とコメント。チーム練習には姿を見せず、所属クラブに戻った。

　ニュージーランド戦の代表発表の席で「達成感がある中で、また勝ちに向かう気持ちがあるか確認したい」と語っていた佐々木監督はこの日の朝、澤と話した。「代表への気持ちは、まだある」という強い意思を確かめた上で、今遠征は無理をさせない判断を下した。

　ＭＦ川澄は「澤さんがいれば、という思いはある」と語り、ボランチでコンビを組むＭＦ阪口は「澤さんの分も頑張りたい」と決意を新たにした。大黒柱不在の中で迎える強豪との２連戦で、なでしこの真価が問われる。