「コンフェデ杯・決勝、ブラジル３-０スペイン」（６月３０日、リオデジャネイロ）

　地元ブラジルがＷ杯王者のスペインに３‐０で快勝し、３大会連続４度目の制覇を果たした。４得点で優勝に貢献したＦＷネイマール（２１）が大会最優秀選手に選ばれた。ブラジルは前半２分にフレジが先制し、同４４分にネイマール、後半２分にはフレジが加点した。試合を支配して国際サッカー連盟（ＦＩＦＡ）ランキング１位の相手を圧倒した。スペインは２０１１年１１月からの国際Ａマッチ連続無敗記録が２６試合で止まった。１０年Ｗ杯１次リーグのスイス戦黒星を最後に続けた公式大会での無敗も２９試合でストップした。

　新たな時代の到来を告げるスターの誕生だ。ブラジルのネイマールは、決勝でもきらりと光る美技でチームを頂点に導いた。ブラジル国民と世界中のサッカーファンを魅了した２１歳のエースは「期待された以上のパフォーマンスを見せられた」と充実感に浸った。

　前半４４分のゴールは圧巻だった。左から中央へパスを出した時点ではオフサイドの位置にいた。しかし、スペイン守備陣で最もゴール近くにいた選手の位置まで戻り、動き直してマークに付いていたアルベロアより一歩前でオスカルのパスを受けた。余裕を持ってゴールに向かい、左上隅へ正確で力強い左足シュートを蹴り込んだ。

　同３２分には、針の穴を通す精度でＤＦ２人の間を通すラストパスを出した。得点の場面もそうだが、狭いスペースを最大限に活用して好機を紡ぎ出すスペインのお株を奪う技量を見せつけた。

　そのプレースタイルは満員の観衆を引き込み、大声援がチームメートの奮起にもつながった。来年のＷ杯でも「ネイマール効果」は大いに期待できるだろう。

　来季はスペイン１部リーグ覇者のバルセロナでレベルアップを図る。サッカー王国の至宝は「新たな経験を糧に成長し、Ｗ杯を勝ち取る力を付けて戻ってきたい」と高らかに宣言した。