柏ネルシーニョ監督が辞意 試合後突然
「J1、鹿島3-1柏」(31日、カシマ)
J1柏のネルシーニョ監督(63)が31日、鹿島に1‐3で敗れた後の会見で「私には最後のゲームになる」と、辞任する意向を明らかにした。チームはリーグ戦は9位ながら、ナビスコ杯、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)、天皇杯と優勝の可能性を残しており、電撃的な辞任発表となった。
敗軍の将が、いきなり辞任を切り出した。試合後のミーティングで、選手に辞意を伝えたという柏のネルシーニョ監督は「私はここを去ると伝えた。今日の試合で決めたわけではない。9位、10位にいるわけにはいかない。首位を走らないといけない」と説明した。
日本ではヴェルディ川崎、名古屋の監督を経験した後、09年7月から柏の監督に就任。その年のJ2降格は防げなかったものの、翌10年にJ2で優勝。11年にはJリーグ初となるJ1昇格年度でのリーグ優勝を達成した。95年には日本代表監督の候補として、日本協会と交渉も行ったが、交渉を打ち切られ「協会は腐ったミカンだ!!」という言葉を残したことでも知られている。
突然の辞意に、選手らの表情は硬かった。主将のMF大谷は「いつから考えていたのか分からないけど、ビックリした。リーグ戦はあくけど、ナビスコ杯の準決勝やACLが残っている。誰一人、想像していなかった」と困惑を隠せなかった。エースのFW工藤は「僕の口からは言えないです」と口をつぐんだ。
広報スタッフも「クラブとしては何も聞いていない。正直なところ、驚いています」と対応に追われた。無責任な印象すら与える辞任劇。1日もチーム練習は行われるが、ネルシーニョ監督は「(参加するか)分からない」とだけつぶやき、チームバスに乗り込んだ。