川崎・大久保、2発で自己新21ゴール
「J1、川崎3‐1柏」(6日、等々力)
川崎がFW大久保嘉人(31)の2ゴールなどで柏に3‐1で快勝し、2連勝で6位に上がった。得点王争いでトップを走る大久保は今季6度目の1試合2ゴールで、21点に伸ばした。柏は5試合勝ちなしとなり11位に後退した。
勝利の瞬間、FW大久保はピッチにうずくまった。今季6度目の1試合2得点。90分間の奮闘で疲労困憊(こんぱい)だった。「激しい試合だったので疲れた。膝もガクガク。手もしびれているけど、(ボールが)来ると思い、全力で走った」。エースが懸命の走りで勝利を引き寄せ、チームを6位に押し上げた。
0‐0で迎えた前半6分、エリア左でFWレナトがボールを受けたのに合わせて、大久保はセンターサークル付近から猛ダッシュ。「相手のDFは止まっていた。レナトのシュートは速いから、点で合わせればと、全力で走った」と、俊足FWがゴール前へと疾走し、先制点を奪い取った。
先制の2分後、激しいボディーコンタクトを受け、脳振とうのような症状で倒れ、特別に出されたストレッチャーに乗せられ、ピッチ外で約4分間治療を受けた。だが、プレー続行。後半6分のPKは、相手GKの左脇の下から決まる幸運にも恵まれ、「止められたと思ったから、うれしさを倍返しにしてくれた」と満面の笑みで話した。
自身初のシーズン20点を超え、今季通算21ゴール。2位には4点差で得点王争いを独走する。欧州遠征の日本代表には選出されなかったが、「代表?何とも思っていない」と意に介していない。「まだ6試合ある。何が起こるか分からない。オレは(点を)取るだけ」と、頼れるエースは川崎の勝利のために点を取ることしか考えていない。