“和風メッシ”横浜M斎藤が首位奪取弾
「J1、横浜M1‐0広島」(19日、日産ス)
横浜Mが広島との首位攻防戦を1‐0で制し、首位を奪回した。後半10分に日本代表FW斎藤学(23)が挙げた先制点を守った。浦和はMF原口元気(22)が自身初のシーズン10点目となる決勝弾。今季カシマで無敗の鹿島を2‐1で破り、対鹿島4連勝で2位に上がった。C大阪は日本代表FW柿谷曜一朗(23)の決勝点で湘南を下し、3連勝で4位に浮上。17位の磐田は、次節にもJ2降格が決まる可能性がある。
頂点への剣が峰を制した。均衡を打ち破ったのは、横浜MのFW斎藤だ。0‐0の後半10分。左サイドでボールを保持。ふっと呼吸を整えると、一瞬でトップギアにチェンジした。相手MF高萩、DF千葉を瞬時に置き去りにすると、右足一閃(いっせん)‐。「気持ち良かったですね」と振り返る会心の決勝弾で、前節に陥落した首位へと返り咲いた。
悔しさをぶつけた。代表の東欧遠征に帯同したが、出場時間は0分。攻撃の選手と自負しながらも、追いかける展開で声がかからない。「悔しさだけが残った10日間でした」。だが、そこで下を向くわけにはいかなかった。代表解散後は、すぐさま時差調整を開始。経由地のフランクフルトから日本時間を考慮し、空港で眠らず市内へと足を向けた。
帰国後も「家にいると寝そうなので」と、練習後は美容院へ。「またチームで頑張らないといけないので」。すべては大一番で輝くためだ。若武者の活躍に、大黒柱のMF中村も「さすが“和風メッシ”だね」と笑顔でたたえた。
守備陣も難敵の広島を封殺し、いよいよ優勝を視界にとらえる。殊勲の斎藤は試合後、サポーターにあいさつし「絶対に優勝しましょう!」と絶叫。04年以来となる悲願のリーグVに向けた登頂は、佳境へと突入した。