徳島J1王手 津田“夢実現”約束
「J1昇格プレーオフ・準決勝、徳島1-1千葉」(1日、ポカリ)
4季ぶりのJ1復帰を狙う京都と、四国初のJ1を目指す徳島が8日に東京・国立競技場で行われる決勝に進出した。レギュラーシーズン4位の徳島は5位千葉と1‐1だった。あと一歩で昇格を逃した2年前の悔しさを知るエースFW津田知宏(27)らが奮闘。持ち前の粘り強い守備で勝ち越しを許さなかった。3位の京都は6位長崎の攻勢に耐えて0‐0で引き分けた。規定により引き分けの場合は年間順位の上位クラブが勝者となり、京都と徳島がJ1昇格の最後の1枠を懸けて対戦する。
勇ましく戦い抜いたチームに、サポーターから拍手の嵐が降り注ぐ。「国立で勝つぞ」「J1へ行こう!」‐。飛び交う声に選手たちはうなずき、手を振り返した。夢のJ1昇格へ、徳島が王手をかけた。
引き分けでも決勝進出が決まる大一番。貴重な先制点をもたらしたのはエースFW津田だった。前半37分。MF浜田からのスルーパスに反応して裏へ飛び出すと、ペナルティーエリア内で倒されPK獲得。これをFWドウグラスが冷静に決めた。
「とことん裏を狙おうと思っていた。2年前の悔しさがあったから気持ちが入っていました」
忘れられない2011年シーズン。徳島は最後の2試合で連敗し、惜しくも4位で昇格を逃した。津田はその年、31試合出場でわずか7得点。責任を一身に背負った。
今季も似た状況になった。チームが昇格争いを演じる中、津田は第34節・神戸戦から9戦連続ゴールなし。あまりの不振に「2年前を思い出す。今と重なって…」と弱音もこぼれた。
そんな悪夢を振り払う、一瞬の飛び出しだった。スタンドには、09~11年に徳島に在籍した日本代表FW柿谷(C大阪)の姿があった。ともに2年前の屈辱を味わった元同僚の声援が力になった。後半はチームの合言葉でもある「全員守備」で、千葉の波状攻撃に耐え抜いた。
試合後、場内でのインタビュー。マイクを向けられた津田は「国立で、みなさん一緒に笑いましょう」と絶叫した。屈辱を追い風にたどり着いた国立の舞台。相手の京都とは今季1勝1分け。相性は悪くない。今度こそ、昇格の夢をつかんでみせる。