徳島市立 J1昇格の舞台で自分たちも
ヴォルティスに続け‐。徳島市立が「国立」を目指し、2年ぶり13度目の全国舞台に挑戦する。地元のJ2・徳島ヴォルティスが、8日に東京・国立競技場で行われたプレーオフ決勝で京都を下し、四国勢初のJ1昇格を決めた。ヴォルティスのジュニアユース出身選手も数多く在籍する徳島市立イレブンは大いに刺激を受け、4強入りの目標に向けて闘志満々だ。
先輩たちの快挙を目の当たりにして、燃えないはずがない。「自分たちもヴォルティスに続きたい。目指すは国立、ベスト4です」。GK高橋理駆主将(3年)は堂々と目標を口にした。
地元のJクラブ、徳島ヴォルティスがJ1昇格を果たした。国立を舞台に戦ったプレーオフ決勝で京都を撃破。徳島市立イレブンも昇格争いを固唾(かたず)をのんで見守っていただけに、聖地から届いたニュースに大興奮。同じ場所で自分たちも戦いたいという思いを強くした。
チームには、中学時代にヴォルティスのジュニアユースに所属していた選手が多い。主力11人ではGK高橋主将、右MF郡捷太(3年)ら5人を数える。
ジュニアユース時代は、ヴォルティスのホーム試合にスタッフとして参加。ボールボーイや担架係などの仕事を与えられ、エースFW津田知宏(27)や、当時所属していた現日本代表の柿谷曜一朗(C大阪)らのプレーを間近で見ていた。
徳島商を率いて、選手権に5度出場した河野博幸監督(39)が今春、母校に帰ってきた。就任早々、指揮官は今年の目標を決めるように求めた。選手たちは話し合い、「国立」に決めた。
「スペイン代表のイニエスタが好き」と語るMF岸田龍也(3年)を司令塔に、テンポのいいパスサッカーを展開する。エースFW大西致誠(2年)は、県大会1得点と不調だった。しかし、そのスピードとポストプレーは相手にとって脅威になるはずだ。
守備陣は、ヴォルティスジュニアユース出身の184センチの長身DF辻拓也(2年)が統率。もともとFWの選手で「高さとロングキックが自分の持ち味」と、高い技術を駆使して攻撃でも貢献する。
県大会決勝は、昨年代表の鳴門と激突。後半36分、FW大西が裏に抜け出してPKを獲得。「今まで試合で外したことがない」というMF郡が、確実に決めてライバルを下した。
1992年にインターハイ優勝の経験があるが、冬の全国選手権は3回戦が最高。なかなか越えられない壁を、今年こそクリアしたい。
31日、帝京長岡との初戦に向け「いい準備をして勝ちたい」とMF日下翔太(2年)。FW大西は「ゴールを決め有名になって帰って来たい」と強気だ。ヴォルティスの勢いを受け継ぎ、国立に向かって突き進む。