香川西“2勝の壁”堅守速攻で突き破れ
「全国高校サッカー選手権・1回戦、香川西-帝京三」(30日、ニッパ球)
香川西(香川)が「2勝」を目指して8年連続9度目の選手権に挑む。過去8度の出場で計4勝を挙げているが、1大会では1勝が最高。来季発足するJ3・金沢入りが決まったエースFW阪本翔一朗(3年)の決定力を武器に、磨き抜かれた堅守速攻のサッカーで壁を突き破る。
もう1勝では満足できない。エースFW阪本が、イレブンの思いを力強く代弁した。
「今まで香川西は2勝したことがない。その壁を乗り越えないといけない」
昨年度大会は初戦で創造学園を3‐2で下したものの、2回戦で長崎総合科学大付に1‐4の大敗。「2勝」への4度目の挑戦だったが、またも分厚い壁にはね返された。
1年前も阪本はFWとしてピッチに立っていたが、2試合ともゴールなし。長崎総合科学大付戦では、相手GKと1対1になる決定機を外し「それが一番の悔い」と振り返る。
雪辱の思いを胸に、最上級生となった今年は「精神面で成長したと思う」と胸を張る。
きっかけは今夏のインターハイ県予選。プレー中にカッとなることが多いのを大浦監督にとがめられ、決勝戦のスタメンから外された。それ以来、「冷静にプレーし、周りの意見を聞くように心がけてきた」という。
ミスしても落ち着きを保ち、11月の選手権県予選では5試合で8得点。持ち味のドリブル突破やシュート力を存分に見せつけた。
今月11日には、来季から発足するJ3のツエーゲン金沢入団が発表された。「ここからJ2、J1に上がっていきたい」と夢はふくらむ。進路が決まりスッキリした気持ちで高校最後の全国舞台に臨む。
大みそかの初戦の相手は帝京三(山梨)。勝てば来年1月2日の2回戦で、四日市中央工(三重)‐矢板中央(栃木)の勝者と対戦する。
「自分たちの力を出せれば勝てる」とMF角井俊輝主将(3年)。阪本も「勝つことが一番。チームのために得点を決めたい」と意気込んだ。今度こそ2つの白星をつかみ取ってみせる。