サンフレ王手!GK西川が神セーブ連発
「サッカー天皇杯・準決勝、FC東京0(4-5)0広島」(29日、国立)
J1覇者の広島はFC東京と0‐0で延長を終えた後のPK戦で日本代表GK西川周作(27)が好守を見せて5‐4で制し、6大会ぶりの決勝進出を決めた。同2位の横浜Mは、終盤に元日本代表MF中村俊輔(25)らが得点して鳥栖を2‐0で退け、1993年のJリーグ開幕後では初となる21大会ぶりの決勝に駒を進めた。元日の決勝では、ともに日本リーグ時代に天皇杯を制した東洋工業(その後マツダ)と日産自動車を前身とする伝統クラブ同士が対決することになった。
FC東京7人目となった石川のPKを止めると、広島GK西川は何度もほえた。決着はまだついていなかったが、「あれでもう勝利を確信した」という守護神は雄たけびを繰り返した。そしてチームが7人目を成功させて勝ち上がりが決定すると、あらためてガッツポーズ。抱きついてくる仲間たちを、まるでシュートをキャッチするかのようにがっちりと受け止めた。
PK戦は3人目を終えて1‐3。絶体絶命の窮地だったが、そこから3本をはじき、自身はチームの4本目を成功させた。「(ゴールを守るのが)自分の仕事。自分を信じていた」と振り返った守護神が神がかり的な連続セーブで奇跡を呼び込み、誇らしげに胸を張った。
残り2戦で勝ち点5差を逆転したリーグ戦Vに続く、あり得ないような勝ち方。「リーグ戦(での直接対決)ではマリノスに勝てなかったので、次こそは勝ってチャンピオンであることを示したい」と決勝に向け、王者のプライドを口にした。
今季限りでの移籍が濃厚とされる中、有終の美を飾る。2冠達成とJリーグ発足後初の賜杯戴冠が置き土産になる。