俊輔ダメ押し弾で王手!元日倍返しだ
「サッカー天皇杯・準決勝、横浜M2-0鳥栖」(29日、国立)
横浜Mは終盤、元日本代表MF中村俊輔(35)がダメ押しのゴールを奪い、鳥栖を2‐0で退けて21大会ぶりに決勝(来年1月1日、国立)に進んだ。広島はFC東京と0‐0で延長を終えた後のPK戦の末、日本代表GK西川周作(27)が好守を見せて5‐4で退け、6大会ぶりに決勝に進出。Jリーグとの2冠に王手をかけた。
抜け目がなかった。1点を追う鳥栖が前に出てくるのを見透かしていた。後半ロスタイム、横浜Mの中村はMF富沢のパスを前線で受けるとドリブルから狙いを定めてシュート。ボールは左ポストに当たってゴールに吸い込まれた。試合を決める得点後は、何度も拍手をしてサポーターに感謝した。
頭にはあと一歩で優勝を逃したリーグ戦の悔しさが残っていた。「リーグ戦でいい思い出がなかったから。一つでもタイトルを取れれば」。天皇杯は2年連続で準決勝敗退。“元日の国立”はスタジアムに行くことすら「初めて」という縁がない場所だった。
天皇杯以外では、桐光学園時代に全国高校選手権決勝で市船橋と激闘の末に敗れた。99年にはU‐22代表としてカザフスタン戦で直接FKを決め、シドニー五輪出場決定に貢献した。
日本代表としても活躍した国立は、本来はゆかりが深い競技場だ。「僕にとって特別な場所。いい結果になればいいですね」と静かに闘志を燃やした。
FWマルキーニョスが退団。先発した藤田が決勝で出場停止と攻撃陣に不安が残るものの、「俺の1トップもあるかもよ。0トップか…」と、最前線での出場もほのめかした。さまざまな思いを胸に、リーグ戦の悔しさを晴らす。