履正社PK専門GK安川が止めた
「全国高校サッカー選手権・3回戦、履正社1(5PK4)1青森山田」(3日、ニッパ球)
初出場の履正社(大阪)は、強豪の青森山田(青森)を1‐1(PK5‐4)で破り、準々決勝進出を決めた。大阪代表としては、首都圏開催となった1976年度の第55回大会以降の初出場校として、初めての8強入りとなった。
“浪速の大魔神”が仁王立ちだ。1‐1で突入したPK戦。躍動したのは守護神GK安川魁(2年)。6人目のキックを左へ横っ跳びすると、右手1本で勝利のセーブ。「こっちに来ると思ってました」と胸を張った。
これぞクローザー。今大会では先発も、大阪府予選では「PKの時だけ出してもらった。延長後半ラスト3分とかに出てました」。PKの勝負強さは折り紙付きで、準決勝の興国戦、決勝の東海大仰星戦ともチームを勝利に導いている。
試合後は穏やかな表情の守護神だが試合中には「相手との駆け引きもあるんで」とあえて険しい表情で、ピッチ上でにらみをきかせている。
さらに、この日はDF小川も“熱投”した。前日にロングスローで決勝点の起点となった人間発射台は、この試合でも前半18分の先制弾を豪快なロングスローで演出。「サッカー選手だし、次は足でアシストしたい」と苦笑いを浮かべるが、平野監督は「ラッキーボーイですね」と鉄腕の連投に感謝した。夢の国立まであと1勝。履正社旋風は止まらない。