修徳初の8強 OB北沢氏の金言を実践
「全国高校サッカー選手権・3回戦、修徳3‐0松商学園」(3日、駒沢)
修徳(東京A)が松商学園(長野)を3‐0で下し、初のベスト8入りを決めた。OBの元日本代表MF北沢豪氏(45)に直接アドバイスされた金言を胸に、4強入りを目指す。初出場の履正社(大阪)は青森山田(青森)を1‐1(PK5‐4)で破り、大阪代表としては首都圏開催となった1976年度の第55回大会以降の初出場校初の8強入りを果たした。
創部から約40年。北沢氏や元日本代表の神野卓哉氏、横浜MのMF小椋祥平らJリーガーを輩出してきた東京の名門が、初めて8強にたどりついた。11年に就任した岩本慎二郎監督は「(準決勝で戦う)国立に挑戦できるパスを手に入れられた。うれしいです」と感無量の面持ちだった。
前半8分に直接FKから混戦を経てDF渡辺が先制。後半3分にMF田上のPK、同15分にはCKからFW小野寺がだめ押しと、着実に点を重ねた。ロングボールを多用するサッカーを貫き、勝利をもぎ取った。
2試合連続完封という手堅いサッカーの陰には、OB北沢氏の金言があった。昨年12月、読売ランドで練習試合をしていた修徳イレブンのもとを大先輩が訪れ、激励した。
「今からやっても技術的にはうまくならない。気持ちの持ち方」
そう熱く語る北沢氏を、選手たちは食い入るように見つめて聞いていたという。大会2得点目のPKを決めた田上は「守備で走ることはできると思う」と劣勢でも率先して走って、さぼらないように心がけた。
この日の試合で着用したのは、通常の白ではなく、GK高木義成(名古屋)や小椋らOBがプレゼントしてくれた赤のユニホーム。多くの先輩に見守られ、チームの歴史を塗り替えることができた。
監督からイレブンに与えられた指令はシンプルだ。「取られたら取り返せ。取ったら前へ行け」。愚直に突き進み、OBたちに最高の報告をする。