日本に一時帰国中だったサッカー日本代表ＭＦ本田圭佑（２７）が４日、移籍が決まっているイタリア１部（セリエＡ）ＡＣミランに合流するため、成田空港からミラノへ出発した。報道陣に口を開くことはなかったが、鮮やかな赤いニットの上に黒のコート、ズボンというＡＣミランのチームカラーと同じ取り合わせで搭乗。新天地で活躍する自信を漂わせていた。

　成田空港の出発ロビー前には約４０人のファンが詰めかけた。「ＨＯＮＤＡ」のネームと背番号１０が入ったＡＣミランのユニホームを持った熱心なファンもいた。送迎の車から本田が姿を見せると、１歩でも近くに行こうとしたファンが警備担当者に制止される一幕もあった。

　居合わせた利用客を合わせた約１００人が本田の出発を見守った。空港は１０人の警備員を配置。数人の警官も警備にあたった。保安検査場までテープで導線が確保され、人垣の内側を進む姿は映画「十戒」の１シーンのよう。最優先で飛行機に乗り込むＶＩＰ待遇で機上の人となった。

　服装もＡＣミランを思い起こさせるものだった。コートやズボンは黒で統一。その下から赤いニットをのぞかせる、ＡＣミランのチームカラーと同じコーディネートを披露。ファンへ向けた無言の決意表明とも受け取れた。

　ＡＣミランは３日、公式サイトで国際移籍証明書や労働許可の取得など、選手登録に必要な手続きを始めたと発表。「本田、カウントダウン」との見出しで「名選手との契約に慣れているミランだが、本田に関するメディアの注目は非常に大きくなりそうだ」とし、日本での注目度の高さも伝えている。

　ＡＣミラン移籍が浮上した直後、昨年６月に行われたコンフェデ杯の時点で、本田は「（実現すれば）計り知れない成長があると思います。僕は環境先行型ですから」と言い切っていた。自分のため、日本のため、大きな飛躍への一歩を本田が踏み出した。